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カンチェンジュンガ

 
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カンチェンジュンガの朝焼け(シッキム)

カンチェンジュンガはシッキムヒマラヤの主峰である。昔カンチェンジュンガという言葉の響きに憧れ、そのカンチェンジュンガが世界第3高峰と知った時、益々僕の気を引いた。僕は憧れのカンチェンジュンガを見るために、インドにあるシッキム州に行くことにした。

カルカッタを出発したダージリンメイル号は、定刻を約3時間遅れて朝の11時過ぎにニュージャルパイグリ駅に到着した。ここからシッキムやダージリンへ行くための中継地となるシリグリのバスターミナルまではリキシャーで行く。

リキシャーとは自転車の後方に人が2〜3人ほど乗れる荷台をつないだ、いわば自転車タクシーと言った乗り物だ。インドでは重要な交通手段となっており、カルカッタでは自転車の代わりに人間が荷台を引くといった人力車まで存在する。駅を出ると早速リキシャワーラー(リキシャーの運転手)達が声をかけてきた。どの者も「シリグリ、シリグリ」の一点張りである。リキシャーワーラー達も客の取り合いに必死である。

その中の一人にシリグリまで15ルピーで交渉がつき、僕はリキシャーに飛び乗った。しかしすごいものである。みんな同じ方向に向かうため、リキシャーの大渋滞が起こった。この渋滞の中、自動車がけたたましくクラクションを鳴らしながら走り抜け、牛が闊歩し、豚が横断していった。


シッキム州の州都・ガントックのメインストリート
ニュージャルパイグリ駅からシリグリまではほんの5キロの距離だが、この渋滞のせいで40分もかかってしまった。僕は早速ヒマラヤの旧王国シッキムの首都ガントックへ行くため、バスの予約カウンターに向かった。

バスはデラックスバスと通常のバスの2台が出ているようである。デラックスバスが80ルピー、通常バスが38ルピーと運賃が倍以上違っていた。僕はどちらにしようか迷ったが、昨夜からの疲れを考慮して13時発のデラックスバスを予約した。

そしていざデラックスバスに乗ったが、デラックスとは名ばかりのもので、エアコンがないのはおろか、窓も閉まらずシートもぼろぼろの代物だった。通常バスとの違いは、デラックスバスの方が小型で収容人数が少ないだけのことだった。

インドではバスは概して小型ほど運賃が高くなる。特にシッキムのように山道を走ることが多い地域では、小型のほうが小回りがきくため、料金も高めになるようである。

ガントックか・迺ュめたシッキムヒマラヤの峰々
右端がカンチェンジュンガ


バスはシリグリに町を抜けて1時間もしないうちに山道となった。それにしてもすごいカーブの多い山道である。この山道をバスは対向車とすれすれに走るため、スリリングな旅路となった。

もちろんすぐ下はガケである。標識にあった制限時速5キロというのが頷ける。途中、ランプーと呼ばれる町でパスポートおよびシッキム入境許可書のチェックがあった。そして17時20分にようやくガントックに到着した。

僕はガントックに到着してすぐに、周りを見回し、カンチェンジュンガの雄姿を探したが、あいにく
この日はもう暗くなり始めていたためか、カンチェンジュンガを眺めることができなかった。

ガントックは町の規模の割にはホテルの数が多く、宿探しには全く苦労しない。町を歩いていると、至る所にホテルの看板を目にする。ガントックは標高が高く夜はかなり冷え込むため、僕はとりあえずバスターミナル近くにあるホットシャワーの出る宿を探した。

少し行くと「ブルーヘブンホテル」というホテルがあったので、試しに入ってみた。訳せば「青い天国ホテル」となるが、安宿には変わりなかった。ホットシャワーも出るとのことなので、僕は一泊100ルピーの部屋にチェックインすることにした。

しかし落とし穴があった。まず肝心のシャワーである。ホットシャワーの持続時間が約5分しかないのだ。その後は超冷水シャワーとなり、冷え込みの厳しいシッキムでは到底浴びることができなくなる。一旦冷水になると、再びタンク内の水が温まるまで30分以上も待たないといけない。つまり5分で体全体を洗い終えないといけないのである。

もう一つは窓である。部屋をちゃんと見ておけばよかったのであるが、窓枠の二箇所にガラスが入っていなかったのである。おかげでその夜は、冬のシッキムの寒さに震えながら一夜を明かした。翌日違うホテルを代えようと思ったが、ブルーヘブンホテルのスタッフがフレンドリーで愛想がよかったので、僕は寒さを我慢して今回の滞在をすべてこのホテルに泊まることに決めた。

シッキムは1975年までは独立国だった。1975年に国王のだらしのない行いによって国内に混乱が起こり、それを鎮圧するためにインド軍が介入して国王を追放し、結局インドに併合されてしまった。しかしながら、現在でも中国などの一部の国はシッキムを独立国としてみなしており、この地域の不安定さを物語っている。チベット、ブータン、ネパールに囲まれた狭い地域にあり、チベット仏教圏に属している。人口の6割をネパール人が占め、残りはチベット系の人々と少数派ながら先住民のレプチャ族の人々からなる。

標高1547メートルにある首都ガントックは人口が45000人の町で、銀行、郵便局、病院、土産物屋など何でもあり便利である。街を歩いていると日本人に表情がよく似たチベット系やネパール系の人々が目に付き、日本の田舎を旅しているような錯覚を覚えてしまう。ダンスバーグビールをはじめとしたアルコール飲料もおおっぴらに販売されており、インドにありながら全くインドと異なった雰囲気を持っている場所である。今のところ外国人旅行者の数は少ない。

僕は早朝6時に起きて、カンチェンジュンガを眺めるために外に出ようとフロントに下りていった。幸い空は晴れていた。しかしまだフロントには誰もおらず、入口の扉にも鍵がかかっていたので外に出ることができなかった。仕方がないので、僕はホテルの最上階に上がってみることにした。

僕は最上階で山が見える場所を探した。するとトイレが山を見るのに一番適していたので、僕はトイレに駆け込み窓から山々を眺めた。トイレの小さな窓からは憧れのカンチェンジュンガの堂々とした雄姿をはじめ、ガブルやパンディム、マツォナングヤといったシッキムヒマラヤを代表する峰々が朝日を浴びて薄ピンク色に輝いていた。

僕は嬉しくなって窓を開け、無心になってカメラのシャッターを切った。カンチェンジュンガは世界第三の高峰だけあって、シッキムヒマラヤの親分のように堂々としていた。しかし何より僕を魅了したのは、マツォナングヤの男性的な鋭く尖った頂だった。僕はしばし時のたつのを忘れて、山々を眺めていたのだった。

 

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