| 外国にいるとしばしば水の貴重さを実感させられる。それが水不足の国だったら、なおさらである。僕がケニアのナイロビにいたときがそうだった。
当時ケニアは慢性的な水不足で、ナイロビの安宿にいた僕はシャワーを浴びるのに毎日四苦八苦していた。安宿は共同シャワーの上、一日の大半が断水状態で、唯一早朝だけ水が出るといったありさまだった。
それも3,4人シャワーを浴びると水は止まり、また翌朝まで出ない。そのためシャワーの音が聞こえたら、急いで浴室まで行かねばならなかった。しかしいつ行ってもなぜか浴室には5,6人の先客がいた。これがヒルトンのようなデラックスホテルに泊まっておれば、断水とは無縁なのだが、慢性的な金不足の僕はついに水不足とも縁が切れなかった。 |