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インフレの激しい国で両替をすると、トルコの100万リラ札のようにたくさんのゼロが並ぶ紙幣に出くわすことがある。これらの国での両替はゼロの数を数えるだけでも骨が折れ、ちゃんと両替されているかどうか不安になってしまう。僕はかってペルーやトルコ、インドネシアなどでゼロの数が多い紙幣を手にしたが、慣れるまでは本当に厄介なのである。
ペルーやトルコ、アルゼンチン、ブラジルなどのインフレの激しい国では、しばしばデノミネーションと呼ばれる通貨単位の切捨てが行われる。旅行中にこのデノミネーションが起こると、旧札を新札に再両替しないといけないなど、さらにややこしいことになり、旅行者は間違いなく混乱してしまう。通常デノミネーションは通貨の100分の1から1000分の1程度の切捨てが多いが、かってトルコでは100万分の1という天文学的数字のデノミネーションを行い、何と2000万リラは20リラになった。
またペルーではあまりにもインフレの進行が速いため、いっそのことミリオン(100万)という言葉を通貨単位であるインティの後に加えて、インティミリオネスという滑稽な通貨単位の紙幣が発行されたこともあった。もうこうなると、まるで漫画の世界のようで、笑うしかないのである。
外国の紙幣の話をすると話は尽きないのだが、自分の国の紙幣を欲しがらない国民のいる。その代表的な国民が旧ザイール(現コンゴ民主共和国)国民で、彼らは自国のザイール札を欲しがらず、USドルでの支払いを要求してくる。余程ザイール札が信頼できないのだろう。それは通貨価値が毎日毎日下がり続けるのだから、仕方あるまい。また紙幣に印刷されている独裁者モブツ元大統領の写真が気に食わないのかもしれない。またサンディニスタ政権下のニカラグアでも、現地通貨のコルドバは国民に不人気だった。
インドでは紙幣の端が破れたものはお金としての価値が無く、受け取りを拒否されてしまう。そのため両替の際や、お釣りを受け取るときにはお札をチェックしなければならない。うっかり端が破れた札を受け取ってしまうと、ババ抜きでジョーカーを引いてしまった時と同じ気分になる。しかしながら、紙幣の真ん中なら破れていても大きな穴が開いていても問題ないのが不思議である。インドでは紙幣をホッチキスで束ねる習慣があり、そんなことをしているからどんどん紙幣が痛むのだと思う。やはりインドは不思議な国である。
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