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バヌアツでカスタムダンスを見る

南太平洋にバヌアツという島国がある。かっては英国領ニューヘブリディーズと呼ばれた所で、美しいさんご礁に囲まれた多くの島々からなる国である。

バヌアツには多くの火山があり、タンナ島のヤスール火山は現在も噴火中で、真っ赤な溶岩を吹き上げている。またこの他にもアンブリム島のベンボウ火山、マラム火山など現在活動中の火山が多く、これらの火山を巡るトレッキングがバヌアツ観光の目玉の一つになっている。


バヌアツ国内の移動はスリル満点のプロペラ機となる。
僕は旅先で伝統舞踊や民族ダンスを鑑賞するのが好きで、ここバヌアツのタンナ島にもカスタムダンスと呼ばれるものがあると聞き、早速見に行ったのだった。

タンナ島へはエファテ島にあるバヌアツの首都のポートヴィラから、バヌアツ航空の超小型セスナ機で行くことになる。乗客6名定員のセスナ機の旅はスリリングで、眼下にさんご礁の島々を見ながらのフライトになる。

タンナ島には町と呼べる場所はなく(と、言うよりバヌアツには、首都のポートヴィラ以外に町はないと思う)、素朴な村々がいくつかあるだけである。

そのひとつ、ヤオーナネン村でカスタムダンスが見られるとポートヴラのバヌアツ航空でもらったパンフレットにあったので、ジープをチャーターしてヤオーナネン村に向かうことにした。

パンフレットに「ペニスサックを付けた裸族が、今でも伝統的な生活をしている」とあったので、僕の期待はいやがおおにも高まった。



タンナ島にある ヤスール火山は毎分のように噴火を
繰り返す活火山で、バヌアツの人々は世界で最も
噴火口に近づける火山だと自慢している。

ヤスール火山の噴火
バヌアツは活火山が多いことで有名である。


タンナ島のレナケル村にて
しかしヤオーナネン村に到着したが、なぜか村人が一人もいないのである。村にある家を一軒一軒訪ね歩いていると、村の奥のほうから年配の男性が一人出てきた。

その老人はなぜか洋服を着ていた。話を聞くと、カスタムダンスは今はヤオーナネン村ではやっておらず、ヤーケルという別の村でやっているとのことだった。

老人は僕が気の毒だと思ったのか、一旦家に戻り伝統的ファッションに着替えて出てきてくれた。しかし目的のダンスは一人では踊ることはできず、仕方がないので僕はジープのドライバーに料金を交渉して、ヤーケル村へ行ってもらうことにした。

ヤーケル村に近づくにつれ、人々とすれ違う機会が多くなった。しかしすれ違う人はみんな服を着ていた。少しおかしいなと思ったが、その時は違う村の人々なのだろうと思いあまり気にしなかった。

するとようやく向こうからペニスサックを付けたおやじがやってきた。いよいよ伝統野郎の登場かと胸が高鳴ったが、近づいてみるとさっきすれ違ったおやじではないか。

どうやらここの村人は観光客が来たときだけ伝統野郎に変身するようである。期待していたダンスもわずか1〜2分で終わり味気ないものだった。結局のところ、パンフレットにあったような「今でも伝統的な生活をしている」というのは疑わしいと言わざるを得ない。

思えば同様のことは世界中に存在する。ニュージーランドのロトルアに行った時は、舌を出して裸で踊っていたマオリ族の青年が、翌朝にはスーツを着たサラリーマンに変身していた。

また南米ペルーのチチカカ湖に浮かぶ葦でできたウロス島に住むウロス族も、ガイドブックには「漁業と農業の昔ながらの素朴な生活を守っている」とあるが、実際はウロス島にある家という家のほとんどが土産物屋と化していて、観光で生計を立てているとしか思えない。子供たちも負けじと、観光客に土産物を売りにくる。僕は10歳くらいの女の子にしつこく付きまとわれ、結局小さな絵を買わされた。

チチカカ湖に浮かぶ葦でできた島、ウロス島
ウロス族の少女 結構しつこい (ペルー)

そのしつこさはクスコの「あなた、これ買ってください」と叫びながら土産物を売るおばさんに匹敵する。もしかしたらここの子供も、数年後にはクスコに出て「あなた、これ買ってください」と叫びながら、土産物を売り歩いているのかもしれない。

さらにウロス島の小学校へ行けば、先生が生徒を集めてきて、僕たち観光客を前にして「しょじょ寺の狸ばやし」や「どんぐりころころ」といった日本の童謡を歌わせるのである。

そして歌が終わったあと、先生が「もしあなたたちが子供たちのことを考えてくださるのでしたら、鉛筆や小銭を恵んでください」と観光客に催促するのである。これでは生徒がまるで大道芸人である。

いったいここの先生は小学生に何を教えているのだろうか。観光客との付き合い方や、金の稼ぎ方を教えているのだろうか。そんなことよりも、もって教えるべき大切なことがあると思うのだが。

いずれの場合も観光客向けの見世物であり、少し興ざめしてしまうが仕方がない。この時代、これが現実だと思って旅行せざるを得ないのである。

 

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